小 説 「 S A I K A I 」 |
第26話
今日から新人が入ってきた。
ケンという名で、18歳。
中学卒業後、函館の有名な寿司屋で働いていたとのこと。
ケンも俺と同じ住み込みになり、
平屋一戸建ての寮にはいることになった。
寮は8帖2間に台所6帖、トイレ付き。
8帖二間は、続きになっており、襖で仕切られている。
今まで、一戸建てに勝手気ままに、ひとりですんでいたが、
これからはそうはいかない。
当然、レイちゃんが遊びに来る日も減ってしまう。
残念だけれど
新人が入ることは、嬉しい。
仕事面では、後輩ができたことで、ワンランク上の仕事ができる。
それと「先輩」と呼ばれるのも照れくさいが嬉しい。
1ヶ月ほどたち、「寿司の出島」でも慰安旅行にいくことになった。
池田町のワイン祭りと知床に行くことになった。
入社したばかりのケンはいかないで、留守番をすることになった。
ひさびさの1泊2日の北海道旅行は楽しかった。
後輩のケンへお土産をたずさえ、寮にもどった。
「ケン〜!今帰ったぞーーーー!」
ケンは留守のようだ。
玄関の鍵をあけ、上がり框に上がりケンの部屋の障子を開けた。
「えーーーーーーーーーっ!」
なんと、ケンの部屋はすっかり荒らされていた。
すぐさま、奥の自分の部屋に足早に行くとヤハリ・・・・・・・・
俺の部屋もめちゃくちゃだった。
そうだ。へそくりは?
俺のへそくりは、15万円たまっていた。
旅行バックの一番底に隠しておいた。
「ないっ〜・・・・・・・・・・・・・!
どろぼうだーーーー!」