shousetu saikai
小 説 「 S A I K A I 」

第10話 煙 修 行 

 レイちゃんは、彼氏と別れ、俺と付き合うようになった。
休みの日は、大通り公園でデートをしたり動物園へ行ったり、
毎日が楽しかった。ある時、タバコについてレイちゃんから質問された。
「タバコを吸う女は嫌い?」
俺 「別に、嫌いじゃないよ。タバコと人格とは関係ないし・・・・」
と心にもないことを言ってしまった。
「たばこ、吸ってもいい?」 との質問に 
いいかっこうしいの俺は 「 いいよ。 」 と何気なく言った。
実は、付き合って1年ぐらいになるのに、
レイちゃんがタバコを吸っていることに気がつかなかったのだ。
ただ、よくよく考えると、いつも帰る時に、
お兄ちゃんのタバコといいながら自販機で買っているのは知っていた。
実はレイちゃんのタバコだったのだ。
俺はというと、小学生の時いたずらしたぐらいで、タバコはすっていなかった。
板前修行にタバコは禁物。舌をマヒさせるものといわれていたので、
吸おうとも思わなかったし、あまり興味もなかった。

その日、レイちゃんとわかれた後、俺は生まれてはじめて自分のタバコを買って家に帰った。
部屋に着くとレイちゃんと同じセブンスターを封をきり、挑戦した。

かー・・・・・ まずい! 頭が く・ら・く・ら・す・る〜〜 なんじゃ こりゃー

翌日も、出勤前に、セブンスターを一服   頭はくらくら状態
俺は朝から バス停まで千鳥足で 歩いていった。
それからというもの、毎朝 一服しては、ふわーとした気持ちで、
幸せな状態で出社した俺であった。
 俺のタバコ修行が始まってしまった。
その後は、修行を重ね、なんとかタバコにも慣れた。

レイちゃんとのデートで、いかにも 昔から吸っていたかの如く、一服した

レイちゃん 「えっ タ・バ・コ 吸うの・・・・・???  !!!!」 

自分のかっこよさに、19歳の俺は酔いしれていた。


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