小　説　「　S　A　I　K　A　I　」

■　第5話　第二のスタート　■

札幌駅に着いた。びっくりするほど都会だった。

最初の熊に注意の看板とは大違い。

こんな都会にきたのは、初めてだった。

まずは、部屋探しだ。

たくさんの不動産屋にまわった。

お金はあるが、保証人がいないためかなり苦労したようだ。

でも、世の中にはよい人もいて、事情を話し、
大家さんの心遣いで、なんとかアパートを探すことができた。

その住所が凄いところだ。「月寒（つきさむ）」というところらしい。

さすが、北海道！　月が寒い？

北海道の住所は、アイヌ語が多く、アイヌ語の当て字らしい。

本当は、「ツキサップ」と呼ぶらしい。

それを、当て字にして「月寒（つきさむ）」だそうだ。

とにかく、部屋は見つかった。


今日から、札幌での第二の人生がはじまった。