shousetu saikai
小 説 「 S A I K A I 」

■第2話 夜逃げ出発■

その後、親父は犬山方面に向かい、ステーキレストランにはいった。
はじめての、ステーキだった。
親父は、サーロインステーキのミディアム、
俺は良くわかんなかったので、親父と一緒のものを頼んだ。
とにかく、頭の中は混乱して、まるでお酒に酔っぱらったような、妙な気分だった。

一旦学校に戻って、自転車で、帰宅した。
(あとで、よく考えると、自転車で帰る必要があったのか?)

自宅部屋に帰り、いつものように、無線機のスイッチを入れた。
俺の趣味はアマチュア無線だ。
学校が終わると、放課後は、無線。
家に帰っても、無線。とにかく、無線が好きだった。
生活の中で、切ってはきれない、ツールだ。
自分なりに平静をよそわなければと思いあえて、無線のスイッチを入れたのだ。
今考えると、かなり危ない行動だったと反省している。

「CQ ローカル  ローカルステーション入感ありませんか?」

「こんばんは、♪こちらはJ○2KXA」

こんな具合に、いつもと同じような会話をし、その後急いで荷造りをやった。
いろいろ悩んだが、結局、積みこんだのは、思い出グッズと無線機の
TR1300とTR−2300、TS−520Vを用意した。

その日は、うちの焼肉屋もずいぶん混んでいて、夜逃げしなくても大丈夫でないかなと思うぐらい、
満席状態だった。

23時 閉店し、車にありったけの荷物を積み込んで出発。

クラウンはシャコタン状態だった。
 
 もち金は300万。

俺と親父は 2人で車に乗り込んだ。

     親父  「さあ どこにいこうか?・・・・・」


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